NYフィルでイングリッシュホルン・オーボエの奏者をしていた伊熊啓輔氏。
クラッシック音楽に携わっていないと知らないかたもいますよね。
渡辺謙さんがミュージカルの本場であるブロードウェーで「王様と私」の主演に抜擢されたのは記憶に新しく、現在はガンを克服して再演するという快挙を成し遂げていますが、その舞台で渡辺謙さんが一目おく日本人指揮者が伊熊啓輔氏です。
もちろん、ブロードウェーで日本人が指揮をするというのは初めてのことですが、オーボエ奏者である伊熊さんがなぜオーケストラの指揮をすることになったのか?
その背中を押したのが渡辺謙さんだといわれています。
伊熊啓輔さんの意外な顔
なんと初めて買ったレコードは所ジョージさんの「寿司屋」というレコードで、所さんの大ファンだということです。
舞台の上演時間は2時間45分あり、そのうち演奏が入るのが1時間35分。
それ以外の待ち時間は、料理本を見ているそうです。
他の奏者のかたも読書をしたりチェスをしているかたもいるようですね。
伊熊氏がミュージカルに飛び込んだのは?
NYフィルの奏者の位置を投げ打ってまで、ブロードウェイに来たのは、渡辺謙さんがミュージカルの「王様と私」に出演することになったのを近くで見たかったからだそうです。
稽古の初日に台本をすべて暗記して現れた渡辺さんに感服して、自らも楽譜を暗譜して臨んでいるそうです。
そんな刺激を受けた伊熊さんが、自分の昔からの夢であったオーケストラの指揮をしてみたい。という野望を思い起こしたそうです。
オーボエ奏者と指揮者の二足のわらじ
伊熊さんの凄さは、もちろん技術力の高い奏者としても評価されていますが、ブロードウェーのミュージカルで指揮者もしていることですね。
奏者だから全体の楽譜を理解することは出来ても、指揮者のすごいテクニックは、演者が指揮者を確認できない立ち位置にいるときにも的確なキューを出せたりすることなど、一般のオーケストラの技術とはまるで違う技量を求められることのようです。
伊熊さんは、暗譜することで奏者として演奏しているときに指揮者の様子を逐一見れたことで、そういう細やかな技も習得できたということが、ミュージカル指揮者として成功できた大きな一因のようです。
やはりどの世界でも一流を目指す人の周りには、一流の志を持った人が集まるのだな。と改めて実感しました。